お客様とお話をしていて思い出したので書いておきます。
私は毎日、気功を使ってご相談にいらしたお客様のご病気・ご症状の状態がどうなっているのかを調べて漢方治療をしています。
今では、当たり前の仕事としてひとつの技術として取り組んでいますが、最初からできたわけではありません。
鍼灸師の入江正先生が開発・発表された入江式フィンガーテストという技術をもとにして、私の師匠が気功の技術(調身・調息・調心)を取り入れて発展したもので、訓練が必要です。特殊能力ではなく、訓練をすれば誰でもできます。
左手の母指と示指を交叉させて滑らせながら、右手のセンサーで対象物の情報を受け取り、センサーが異常を感じ取ると左手の滑らせている指が滑りにくくなる、という現象を見つけられた入江正先生がそれを研究して入江式フィンガーテスト(FT)として残されました。滑りやすい状態=Smooth(Sm)と滑りにくい状態=Stick(St)の状態を感じ取ります。右手がセンサー、左手がテスターです。
冷たい缶ジュースなどにタオルを巻いて、それに右手のセンサーを近づけながら左手のテスターを動かしてFTを行うと「冷たい」という寒の情報をキャッチして、テスターの指が滑りにくい「St」の反応が出てきます。最初のうちは、だんだん滑りにくくなってきて、缶ジュースからセンサーを離すとだんだん滑りやすいに戻ってきます。(※今では瞬時に反応が出ます)
と、教えられて練習を始めました。
最初はさっぱり感じることができなかったのですが、何ヶ月かするとわかるようになって来て、面白くなってきました。
しかし、ちゃんと感じるときもあれば、なんだかさっぱり感じているのかわからないということがありました。
鹿児島の師匠のところに勉強に伺ったときに、「僕は本当に感じているのでしょうか」みたいなことを言ったら、「唐澤くん、そこに水晶があるからその水晶の気を感じるつもりで両手で水晶の上でふわふわと手を動かしていて」と言われ、その通り白い水晶に両手をかざしてただふわふわとやっていました。FTをせずに何か感じるのだろうかと思いながら。
やはり何も感じないな〜と思って続けていたら、師匠が「じゃ、今度は隣の紫水晶の上でやってみて」と言うので、紫水晶の方に両手をかざしてふわふわとやろうとしたら…
スカッ…スカッ…
あれっ!なんだこの間隔は。
紫水晶の方に手を動かした途端に、急にそこが真空になったかのように手をかざしても抵抗を全く感じなくて、スカッと空振りをしているような感覚になりました。
透明な水晶は陽であり、水晶の気は外に向かっています。瀉の働きでもあります。
紫水晶は陰であり、外に向かう気は小さくなります。補の働きでもあります。
この陰陽の違いを、FTを取らなくても両手で手をかざして「差」として感じることができたのです。
「ほら、ちゃんと感じているだろう」という顔で師匠はニヤニヤ見ていました。
日によって感じるときと感じないときがあるという問題は、ストレッチを行って気をめぐらせるという訓練によって解消されました。
今でも毎朝、仕事の前にストレッチをしてウォーミングアップを欠かしません。
その当時、練習に使っていたのは缶入烏龍茶でした。
30年近く経ってもまだそのまま冷蔵庫に保管しています。捨てられん。
お客様には「先生はセンスがあるんですよ!」って言われたのですが、センスは無いな〜と思っています。ただ、やめなかっただけかな、と思います。