胃腸の不快感・起床時の腹痛

80代の女性。
3ヶ月ほど前から起床時に腹痛があり、トイレに行くと少し排便があります。
日中にも何度も便意があり、下腹部(特に左)に違和感があるとのことです。

近くの消化器科を受診して、レントゲン、CT検査、血液検査を受けるが、腹部のガスなどは見られるものの、特別な病気ではないとのことでした。整腸剤や腹痛の薬をもらって様子を見るがなかなか改善されません。

ご家族がからさわ薬局で以前に漢方で体調を改善されたことがあり、ご紹介されてご来局いただきました。

もともと年齢のわりにとても元気な方で、なんでも自分で家のことはやるのですが、この不調が出てからいろいろと面倒な気持ちになったそうです。

腹部の症状がある部分を大きくみながら糸練功でチェックしてみると、脈証は大腸腑病で陰陽が混ざっている。腹証で気血水に分解すると、痰(水)の陰が大きく反応しており、これは大腸腑に特有な水と気の停滞の反応であり、適応する漢方薬のタイプから一種の過敏症状と思われました。

ただ、それだけでは症状全体の説明がつかないと思いましたので、他に異常がないか精査してみると、血塊下焦にもう一点の治療ポイントがあることがわかりました。

これは、左下腹部の症状で陽の瘀血であることから、骨盤内の血流を改善して同時に排便を促す漢方薬が必要な状態が組み合わさっていることがわかりました。この状態からもう一度、古くからの体質的傾向を確認すると若い頃からずっと便秘の体質だったことが確認できました。

腸の過敏の漢方薬をメインにして、わずかな骨盤内血流改善の漢方薬を組み合わせて経過をみてもらいました。漢方的には、骨盤内に鬱血があり、これにより便秘傾向になるのですが、体質的な過敏が伴うことで複雑な不快症状になっていると考えられます。この過敏さは神経系にも同時に現れ、使用する漢方薬はどちらも神経症状に応用できるものです。腹部症状だけではなく、気分にも現れるところがあるようです。

半月後に経過を聞くと、排便が以前よりすっきり出るようになって、腹痛が起こる時間が少なくなってきたとのこと。前回の漢方をベースに微調整をしてまた経過をみてみました。

更に半月後には排便量もしっかりとあり、順調に症状が取れて来ているとのことでした。

それから微調整を重ねながら3ヶ月ほどの漢方治療で腹部の症状がなくなり、以前のように何でも元気にこなせるようになって漢方治療を一旦終了としました。

初回の問診表では「軟便傾向」にチェックをされていましたので、「便秘」を想定していなかったのですが、調べて行くと本来は便秘傾向だったのではと思われるところがあり、これについてあらためて問診を重ねることで本来の体質に目標を定めることができました。
左下腹部の瘀血は小腹急結であり、漢方でも明確な目標のひとつです。薬方の証と腹証は一致しており、技術的に適方を見つけることができましたが、今の状態だけではなく「これまで長い期間においてどうだったのか」をあらためて問診で確認することの重要性を感じる事例でした。

1955年創業 伝統日本漢方専門薬局

漢方相談のご予約(完全予約制)

011-221-0204 ご予約の前に必ずお読みください
営業日
毎週火〜土曜日(完全予約制)
営業時間
9:00〜12:00 / 14:00〜18:00
住所
北海道札幌市中央区北4条西5丁目
アスティ45ビル3階
今月の営業日とアクセスのご案内