ベーチェット病の漢方治療

50代の女性。
診断は30年以上前で、当時、腸管ベーチェット病による潰瘍を切除した経験があります。
ステロイド、免疫抑制剤などを使用してきて、現在は生物学的製剤を使用していますが、腸の炎症とそれによる下痢、結節性紅斑(痛みを伴う皮膚症状)などがなかなか治まらないとのことでご相談に来られました。

炎症マーカーも変動はあるものの、この数年の再燃でなかなか下がりきらない状況でした。

ベーチェット病の漢方治療については、一貫堂の矢数道明先生が書いていたのでそれこそ漢方を勉強し始めた大学生くらいの頃から知識はあったものの、実際の患者さんをみたのは初めてでした。

どのタイプだろうかと、全身状態からチェックしてみると、まさに矢数道明先生が最も多く症例を挙げていたタイプと思われました。

基本となる漢方薬を調整して半月ほど服用してもって経過をみたところ、下痢が明らかに減少し、紅斑の痛みも減ってきたとのことでした。

ただ、そこから一直線には改善せず、基本の漢方は変えずに補助の組み方を都度状態を調べながら試行錯誤し、1年ほど経って基本となる漢方薬を一度分解してバランスを整えるとより良いのではと気がつき、そこから細かく調整を重ねていくと、下痢もかなり減少して紅斑は出なくなりました。

更に苦味の生薬をうまく使うことでより改善が見込めるポイントを見つけて、漢方を調整していって、現在は下痢もほぼ落ち着いて安定して日々を過ごせるようになっています。

ここまで、2年以上経過してしまいました。
知識として知っていても、実践として臨床でやってみるとその中には必ず個別性があるもので、そこがやはり難しいのですが、特殊なものは使わなくても、基本的な漢方薬の組み方で難しい病気にも対応できることがあると実感しました。

後世方の矢数道明先生が後世方の処方を使ってベーチェット病の漢方治療を発表されてるのですが、このきっかけを作ったのは意外にも古方の大塚敬節先生がこれを使ってみたらとアドバイスされたことだったと何かで読んで知りました。
私は20代はずっと大塚敬節先生の本を中心に読んでいましたが、やっぱり大塚敬節先生はすごいです。

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