60代の男性。
数年前から胸腹部を中心に蕁麻疹が出るようになったとのことで、抗アレルギー剤で治療を受けているそうですが、なかなか根本的に改善されないとのことでご相談にいらっしゃいました。
症状の出方を聞いてみると、夕方、仕事を終えて帰ろうとする頃になると決まって蕁麻疹が出始め、翌朝になると引いているの繰り返しとのことでした。
病態の症状の出やすい時間から、少陽病の蕁麻疹であると判断して少陽病の解毒の漢方薬を基本の漢方薬として、中和解毒を助けるミネラルを補助して治療を開始しました。
服用して1ヶ月ほどで腹部の蕁麻疹があまり出なくなってきました。
その後も順調な様子に見えましたが、4ヶ月ほどして胸部から首筋のあたりにまだ蕁麻疹が出やすい傾向があり、これは上焦=表にまたがる治療が必要ではないかと考えて見直しをしてみました。
予想通り、当初の基本の漢方薬+表証の漢方薬に切り替え、同様に中和解毒のミネラルを補助は同様にして経過をみると、胸部から首筋の蕁麻疹も出なくなってくるのがわかりました。
完全に出なくなるまで約1年ほどの漢方治療をコツコツと続けて、完全に症状が出ない状態が維持されていることを確認して漢方治療を終了しました。
蕁麻疹は「気の蕁麻疹」「血の蕁麻疹」「水の蕁麻疹」、気血水ではいずれも候補があるため、選択が難しい傾向がありますが、症状の出る時間によって日本漢方の三陰三陽の考え方からある程度の候補を絞り込むことができる場合があります。
候補となる漢方薬がとても多い病態であり、メインの漢方薬を絞り込むのが難しい病気の一つですが、症状の状態を細かく伺っていくと、どういった漢方の物差しで考えるべきかがわかってきます。また、この症例のように表証・半表半裏証・裏証に分けていくと、症状の出る部位との関係を考えることができ、方針を修正することができました。
まだまだ研究の余地があると思っています。