西洋医学での味覚障害に対する考え方
味覚障害には、さまざまな原因があると考えられています。
西洋医学的に言われている代表的なものは次のようなものがあります。
① 亜鉛不足
比較的よく知られている原因です。亜鉛は味を感じ取る舌の器官である「味蕾(みらい」が正常に働くために必要な栄養素であり、不足すると味を感じにくくなることがあります。
味蕾の細胞は比較的短いサイクルで入れ替わるため、細胞の新陳代謝に必要な亜鉛が不足すると、味を感じる機能に影響することがあります。
② 薬の影響
服用している薬によって味覚障害を起こすことがあります。
これは特定の薬にあるものなので、症状があれば必ず関係性を調べられています。
原因と考えられる薬がある場合は、その薬を別なものに変更するなどで対処ができます。
このタイプは原因が特定しやすいため、長期的な問題になることは考えられません。
③ 口の中の問題
- 舌の炎症
- 口内炎
- 口腔内の乾燥
- 歯周病
- 唾液の減少
こういった口腔内の状態によっても味を感じにくくなることがあります。
これらは医療機関での受診時には必ず確認されている内容で、これらが確認された場合は適切に対処されることで改善ができることがほとんどだと思います。
この他にも西洋医学的に考えられる原因はまだまだあります。
例えば風邪がこじれたときなどは一過性の味覚障害を起こすことは珍しくありません。
漢方にご相談にこられる味覚障害
さて、これまで味覚障害で漢方相談に来られた方は、全員、西洋医学的な様々な検査や治療を受けて改善されなかった方です。
亜鉛の補充療法もやってみた、その他の上に挙げたような原因は否定されている、でもなかなか改善しない…そういう方がご相談に来られました。
そういった方々のお話をお伺いして、状況をみて、また漢方的な体質について検討してみると、ある程度の共通点がありました。
漢方には気の異常として「気の上衝(じょうしょう)」という考え方があります。気の上衝によって引き起こされる症状が様々あり、例えば、頭痛、不安発作などの神経症状、めまい、立ち眩み、そして上部の知覚神経異常があり、その中には、耳鳴りや味覚障害などが含まれることがあります。
実際には、ご相談に来られた方を調べていて気がついたのですが、最初の一例は「気の上衝がある。もしかして、これが原因じゃないかな…」と疑心暗鬼でやってみたところ、改善したという感じでした。
二例目からは、「やっぱりこの人にも気の上衝がある。ここを目標にやってみよう。」と、同様にその方の状態にあわせてやってみると、また改善し、段々と確信に変わっていったという経験が土台になっています。
それ以後、様々なパターンはあるものの、漢方的には考えるべきひとつのポイントとして有力視しています。
これを西洋医学的な言葉で現すと、一種の知覚神経の異常ではないかと考えられると思います。仮説ではありますが、実際に改善している人たちをみると重要な考え方のひとつでしょう。