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漢方の症例

リウマチの患者さんでの不思議な経験

昭和18年生れの女性。平成18年11月に初回のご相談。
症状は、4年ほど前に右手中指にトゲが刺さったような痛みを感じた。3年前、右足首が痛くなったが、最近はあまり気にならない。2年前より右手首が腫れて、指が太くなった。いちばん痛いのは、左足首と左足の下がつけないくらい痛くなる。これは今年から。時々胸がきゅんとなる。
病院ではリウマチの診断でした。リ○○○レックス、高血圧に対してディオバンが投薬されていました。
炎症の状態など、検査値の推移などを知りたいが、質問しても「解りません」という。リ○○○レックスを飲むとなんだか調子が悪いのでしっかり飲んではいらっしゃらないようでした。

痛む患部を糸練功で調べながら反応する箇所をみていく。リウマチの診断であるので、リウマチに使う薬方群の適不適を検討していくが、適するものに行き当たりませんでした。
引き続き、患部の反応と他の箇所との関係をみていくと、患部と五志の憂と呼ばれるストレスの影響による部分の関連が深いと思われます。
更に問診をすると、発症時期に大きなストレスがあったことが確認されました。
患部と五志の憂に重なる大腸の腑、陰証に対して、理気・利水を兼ねた漢方薬を選薬しました。五志の憂を更に調べ、もう一点の小腸の腑、陽証に対して、気の上衝に対しての発散の漢方薬を選出しました。これで良いのか半信半疑だったので、まず7日分だけで様子を見るようにお願いしました。一般的なリウマチに対する薬方は出していません。

それきり、患者さんが来局されませんでしたので、これは上手く行かなかったかなと思っていたのですが、その翌年の2月になって再来局されました。お話を伺うと、飲んでいたら調子が良かったとのことでした。最近、またチクチクと電気が走るような痛みが出てきたとのことです。それから、二種類の漢方のうち、大腸の陰証に対して出したお薬が特に効いているようだ、とのこと。
再度、糸練功でチェックすると、確かに大腸の陰証の反応がまだ強く感じます。大腸の陰証に対する同薬方のみに絞り、30日分をお出しして経過をみていただきました。

その後、ご来局がないのでどうされたかな・・・と思っていたら4月にご来局されました。またしばらく調子が良かったが、寒さにあたると痛むとのことです。再度チェックし、同じ薬方でまた30日分をお出ししました。患部の状態は悪化しているような感じは見受けられないのです。
今度はお薬がなくなる5月に来局され、食べ過ぎた時に腫れやすい感じがするが、当初に比べて激しい痛みはなく、調子は良いとのこと。一般的なリウマチに対する漢方薬は一切つかっていませんでしたので、このままで良いのかと悩みました。リウマチという診断である以上、検査数値がやはり気になるので、なるべく病院で検査を受けて結果を教えて欲しいとお願いしました。
患者さんは、それきり来局されませんでした。

その患者さんのことが気になりながらも、忙しく過ごしていたある日のことです。札幌の漢方系の勉強会で講師を務めて、終了後に大先輩が食事に誘ってくださいました。その食事の席で、大先輩は私の耳元でそっと「先生、この患者さん憶えていらっしゃいますか」と、このリウマチの女性のお名前をおっしゃいました。
「もちろんです、気になっていました。先生のところに行かれましたか?」と尋ねますと、なんとその患者さんはこの大先輩の古くからの知人とのことでした。
大先輩は、この女性がリウマチになったと聞いて、リウマチに対する漢方薬で手を尽くされたそうですが、改善しなかったそうです。
その後、どこで聞かれたのか私のところに通ってから調子が良くなられ、この女性から大先輩にその報告をされたとのことでした。大先輩は、私がお出しした薬方をみて驚かれ、その後もこの女性が元気で過ごされていることを教えて下さいました。
「驚きましたよ、頑張ってください。」と、励ましていただき、感激した思い出です。

この患者さんにお出しした漢方薬の価格
大腸の陰証に対する理気・利水の漢方薬  1ヵ月分 11,025円
※同じご病気の名前でも、ご病状や体質によって使用する漢方も価格も変わります。

これは「心の痛み」が「身体の痛み」として現われた例です。本当にリウマチだったのか、検査値はどうだったのだろうと、今でも疑問に思うところがあります。
リウマチの漢方治療をしていく場合、検査値は非常に参考になります。痛みが続いていても、検査値が下がっていく時は、その後に痛みがとれてくるのが一般的です。
今回紹介させていただいた例は、特殊な例です。他のリウマチの患者さんでは炎症に対する漢方、関節の再生に必要な漢方、自己免疫の異常を起こしやすい体質に対する漢方を優先順位を考えて組んでいくのが通常です。

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